ミドル世代の入り口である30代の看護師が抱えている悩みを具体的に見ていきましょう。
看護師としてある程度活躍してきた30代の看護師の悩みとしてまず挙げられるのが、体力的な負担です。20代までは次の日に疲れを持ち越すことなく働けましたが、30代になるとそうはいきません。若い頃よりも責任のある立場に置かれ、後輩指導や報告書作成などの業務が増え、休憩時間が取れないこともあるでしょう。夜勤による不規則な生活リズムがさらに体力を消耗させます。夜勤は少ない人員で働くことが多いので、心身への負担が大きくなります。その疲れによって、医療事故を起こしてしまうのではないかという恐れも大きなストレスになるでしょう。
人間関係の悩みも、30代の看護師にはつきまといます。上司と後輩の間に入ることが多くなるので、両者の板挟みになり大きなストレスを感じます。看護師は患者の命を預かる責任の大きい仕事です。少しのミスが患者の命に関わることもあるので、些細なミスでも厳しく指摘されます。加えて、多忙な環境であることが原因で人間関係のトラブルを解消する余裕もありません。人間関係が悪化すれば仕事に対するモチベーションも低下します。メンタルヘルスに多大な影響がおよび、離職するケースも少なくありません。
30代になるとプライベートに関する悩みも増えてきます。看護師は忙しく、プライベートの時間を確保することが難しい仕事です。家庭を持つ人にとって、自由な時間を十分に確保できないのは大きな悩みでしょう。拘束時間が長く、夜勤や休日出勤、残業なども発生します。子育て中の人がこういった勤務形態を維持するのは非常に困難であり、多くの看護師が自分の働き方について見直すタイミングです。
今後のキャリアに対して不安を覚える看護師も多いようです。30代になってある程度の経験を積むと、自分の得意分野や苦手分野が分かるようになります。その上で、今後のキャリアについて考えた結果、今のままではキャリアアップは望めないと感じるケースも少なくありません。また、給料に対する不満を持ち始める時期でもあります。看護師は夜勤があり責任重大な仕事なのでストレスも大きく、心身共に消耗します。一方で、平均年収は一般的な会社員よりも若干高い程度で、それに対して不満が芽生えます。仕事と収入のバランスを考えた際に、割に合わないと感じるようです。
ミドル世代の中でも比較的若い層である30代ですが、それでも様々な悩みを抱えています。その中で看護師として長く活躍していくためには、どうすればいいのでしょうか。